工夫と怠惰

がっちりマンデー!!』というテレビ番組のホームページに、サイゼリヤ
ことが載っていた。
常々その安さが不思議だったのだが、本当にいろんなことが工夫されていて
卓越した企業努力の結果であることを知る。
たとえば、サイゼリヤの厨房では包丁が一切使われない。
サラダにしても、あらかじめ切ってある野菜が工場から搬入され、それに
ドレッシングをかけるだけだという。
で、普通ならば切った野菜からは水分が漏れ出すところ、4度で保存すると
それがないのだとか。へぇ〜〜。
また、ピザやハンバーグなどはグリルで温めるだけ。究極の仕込みである。
結果、厨房は一人でまわし、6分間で11品目の料理が作れるほどのスピード
らしい。
そんな効率化を考えるのは、なかなか楽しそうでもある。
ただ、厨房で働いていると、ある種のむなしさも感じてしまいそう。
「果たしてこれは人が人に出す食べ物なのだろうか」と。
まぁ、それはサイゼリヤに限ったことではなく、大手回転寿司チェーンなど
でも、機械がにぎった酢飯の上にネタをのせるだけなので同様である。
転職した寿司職人の悲哀を、以前テレビで見たことがあった。
安さを追求すれば、おのずとそうなっていくのだろうが、QBハウスで感じる
羊気分ともちょっとダブる。
サイゼリヤQBハウスは嫌いではないので、ちょっと複雑な感じ。
それが、「お前らなんかこんなものでいいだろう」ではなく、「安くて良い
サービスを提供しよう」とする結果なだけに、一層悲哀がつのるのだ。
常々、日本をダメにしているのは、その優秀さ=サービスの高さではないか
と思っている。
かゆいところに手がとどき過ぎて、かこうとする意欲を減退させている、と。
禍福はあざなえる縄のごとし、である。