巡礼の旅

DVDで『サン・ジャックへの道』を見る。
いい映画だった。
仲の悪い3人の兄妹が、母親の遺言に従って、遺産相続のために
巡礼の旅に出る。
当初はいがみあっていたものの、寝食を共にするうちにお互いを
思いやるようになり… と、ストーリー自体に意外性はないが、
気持ちの運びの嬉しい映画だった。
時折はさまれる夢のシーンも不思議でいいし、何より巡礼の道が
美しい。
旅の道連れは、兄弟3人の他にガイドが一人。
さらに4人の若者と、謎めいた女性を足した9人のパーティー
そのそれぞれの絡みもおもしろかった。
巡礼の旅には出たことはないが、ちょっとした集団旅行はした
ことがある。
大学2年の夏休みに、夢一族という芝居集団の旅に混ぜてもらい、
愛知まで行った。
一週間ほどの同行だったが、公演のために張った大きなテントの
中で寝たり、各地に点在する支援者の家に泊めてもらったり。
細かいところまでは覚えていないが、楽しかったことは確か。
さらに南下する彼らと分かれ、その後山梨経由で東京に戻った
ことも、いい思い出である。
お金を使った豪華な旅行ももちろんいいが、身を寄せあうような
質素な旅もまた楽しい。
畢竟、それは共同生活と似ているのだろう。
ブルックリンで暮らした時も楽しかったが、その話はまた明日。