鏡の城

千の鏡のお城』というゲームが、今年のドイツキッズ
ゲーム賞に選ばれたとのこと。
で、仕組みの解説や写真を見てうなった。
あぁ〜、こうだったのかぁ〜、と。
かれこれ20年ほど前になるが、同じ「おもしろさ」を
狙った作品を作っていたことがある。
チェスを題材にした「家族の肖像」を展開するうちに
普遍的なマテリアルを使いたくなり、最終的に光と影に
行き着いた。
小さな空間に影を作り出すには箱状の空間を準備して
やる必要があり、デュシャンの遺作へのオマージュも
あって、穴から覗く仕組みにした。
ただ覗くだけではつまらないと思い、視線の通り道に
鏡を斜め45度にして置き、奥行きが倍になるような
迷宮を作り出した。
が、わたしが行ったのはそこまでだった。
作品としても悪くないはずだったが、どうも今ひとつ
リアルな感じがしなかった。
この場合のリアルとは、発展性というか、もう少し
喜びに通じて欲しかったのだと思う。
その後、同じ構造をLEGOに提案したりしてみたが、
反応芳しくなく、アイデアだけを温める形になった。
そして、『千の鏡のお城』である。
なるほど、そうやってゲームにすべきだったのかぁ。
頭が固かったのね>若かりし俺
ただ、あまり悪い気もしていない。
「これからだよね」と。
やはり、カードゲーム作りに挑戦した方がいいんだな
と、あらためて思っている次第。
それはまるで、寂しい道だと思っていたら、ひと山
超えたところに村があることを知った旅人のよう。
「道」である。