「賭ける」話

昨日の続き。
「賭ける」話である。
まずは、『あの素晴らしい愛をもう一度』の出だし
「命かけてと 誓った日から
 すてきな想い出 残してきたのに」
についてだが、この歌詞が魅力的なのは「命を賭ける」
というヒロイックな内容が、いきなり砕け散ってしまう
ところである。
「きたのに…」という口調がまた情けない。
チューリップ・ハットが目に浮かぶ。
一方、『銭形平次』にも、似たような味わいがある。
「男だったら 一つにかける
 かけてもつれた 謎をとく」
こちらは失恋どころか、賭けた結果は犯罪である。
主人公(銭形平次)はそれを解く側にいるのだから、
何とも切ない。
子供心に「おいおい…」と思ったものである。
というわけで、作った人たちにそういう意図はないと
思うが、この2曲は「命」や「人生」といった大層な
ものを賭けると「ろくなことはならないよ」と言って
いるかのよう。
いずれにせよ、そういうものを賭けたがるのは男である。
要するに、男の浅はかさみたいなものがそこにはあって
さらに妄想をふくらませると、峰不二子っぽい口調で
「男ってバカね…」
と言われている感じがしてくるのである。
まぁ、そこまでいくと、悪くない。