アメリカでも

エンデの遺言』読了。
昨日は途中までしか読んでいなったので、勢いドイツと
アメリカという対比が思い浮かんだが、実はアメリカの
中にもゲセルの思想を取り入れた試みがあるとのこと。
ニューヨーク洲のイサカという場所で流通している、
イサカアワーという地域通貨である。
なるほど、Googleで「イサカアワー」を検索してみると
いろいろと記事が出てくる。
中には「阿修羅」といった懐かしいページも。
ともかく、今般の世界的な大不況は、発端が金融工学
破綻だっただけに、懐疑の目が金融システム自体に向け
られている感がある。
歴史のベクトルは、大きな反動を持って逆方向に振られ
がちだから、グローヴァリズムへの反発として地域通貨
への興味があちこちで起きているのかも知れない。
もちろん、それはそれで簡単に実行可能な処方でもない
のだが、そうした葛藤の中から21世紀的な価値観が
生まれてきそうな気もする。
19世紀にせよ、20世紀にせよ、世紀最初のデケイド
(10年)は、前世紀の価値観を色濃く引きずった。
本当の「らしさ」が出てくるのは、10年代からである。
20世紀に起きた地域通貨の試みは、そのほとんどが
国家によって禁止されたが、21世紀の挑戦はそれらを
踏まえたものになるのかも。
さて、明日からは山崎さんにお借りした『不安定だから
強い 武術家・甲野善紀の世界』を読み始める予定。
読書期に入った感じである。