久しぶりの読書

ちょっと思うところあって、『エンデの遺言』という本を
読み始めた。
ミヒャエル・エンデはもっぱら児童文学者・ファンタジー
作家として知られているが、実は立派な思想家と言える人
である。
当該書籍は、そのエンデが現代社会の問題を指摘した
メッセージをもとに、NHKのスタッフによって作られた
番組の記録である。
エンデが指摘したのは、「お金」の問題。
1980年代から始まったヘッジファンドなどの金融工学が、
世界中を危機的状況に追い込んでしまうことを突いた。
まだプロローグを読んだだけなので、書籍全体の評価は
何とも言えないが、エンデの指摘と提案は非常に鋭い。
共生なき競争は、結局のところ全体的な破滅にしか行き
つかないのだが、所謂「頭のいい人たち」にはそれが
イメージできない。
「数学者が世界を滅ぼす」という言葉が残っているのは
マヤ分明だっただろうか。
一足飛びに奇跡的な救済が起こるわけではなく、例えば
地域通貨の試みが、今後あちこちで起きていくのかも
知れない。
それが、21世紀型の革命ということだろうか。
ともあれ、まずはこの本を読み切るところからである。