20世紀の記憶

海野弘著『二十世紀』読了。
この本、amazonの書評などでは、あまり評判がよろしくない。
確かに、一人の人間がまとめるには、あまりにも巨大なテーマ
だったのかも知れない。
しかし、海野弘さんでなければ、それに挑んでみようとすら
思わなかったはずである。
あとがきには、
第二次世界大戦後になると、私自身が経験した時代で、
 知っているように思っていたが、とんでもないことで、
 まったくよく知らず、意味がわからないままに、
 時代を過ごしていたことを思い知らされた。」
とある。
いやぁ〜、おそらくそれは全ての人に当てはまる話だろう。
むしろ、海野弘さんほどの人でも例外ではないのだ、と。
時代の中で身につく知識は、経験であって、歴史ではない。
賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ、という言葉が浮かぶ。
とはいえ、経験談経験談でおもしろかったりもする。
わが家の長男は1997年生まれ。
次男は2000年生まれである。
よって、彼らの記憶は、もっぱら21世紀に入ってからスタート
している。
それに対して言えば、20世紀とは、やはり「われらの時代」
だったと言えるだろう。
わたしたちは、すでにちょっとした語り部にもなれるのである。
深夜の馬鹿力』の「早熟おじいちゃん」というコーナーが
絶妙である旨、つけ加えておきたい。