ほぼ毎日、に思うこと

ここのところ、『ほぼ日刊イトイ新聞』を頻繁に覗くように
なっている。
何を今さら… の感はある。
日に140万アクセスを誇る、お化けサイトである。
ちょっとしたネットユーザーなら、毎日とは言わないまでも
ある程度のスパンでチェックを入れているのだと思う。
今さら、「あらためて」というのも少々恥ずかしい。
ただ、敢えて言わせてもらえば、あまり糸井重里という人が
好きではなかったのである。
テレビ、広告、バス釣り… みたいな印象で、どうも流行り
ものを追いかけている人というイメージを持っていた。
が、ここ10年くらいで随分スタンスが変わったらしい。
いや、おそらくご本人の中には、もともとそういうものが
あり、それがネットを使うことで出てきたということかも
知れない。
その「そういうもの」とは、人と直接繋がろうとする意欲。
『ほぼ日』は、マスメディアと一線を画す回路を獲得し、
数少ない「ネットならでは」の現象となった。
ところで、電通の発表によれば、社会全体の広告費用が
急速に減少している中、ネット広告だけは右肩上がりを
見せているのだとか。
しかし、バナー広告を見るたびにわたしが思い浮かべるのは
新幹線の車窓から見える、田んぼの立て看板である。
ネットのバナー広告は、発想も見栄えも、そこから一歩も
出ていない印象を受ける。
一方、『ほぼ日』はもはや一つのメディアと言ってもいい
ほどの独自性を確立している。
すごいなぁ〜、糸井重里
きっと、樋口可南子さん(との関係)が素敵なのだろう。
たしか、15年くらい前に結婚されたはずだから、そのあたり
から何かが変わってきたのかも知れない、と。
こちらは、昔から好きな女優さんである。
さて、『ほぼ日』に対して敢えて不満を言うならば、全編を
通して肯定的な言説だけが乱舞している点。
テレビを始めとするマスメディアが「他者をけなす」ことで
威厳を保とうとする、トンチンカンなレトリック使う中
糸井重里の(意識的な)肯定的態度は本当に立派だと思う。
が、何だかその立派さ故に、妙に宗教チックな薫りも出て
しまうのである。
難しいなぁ〜、そういうところ。
人間は、つくづく「ないものねだり」なのだと思う。