箔押しと硬派

月に一度の、会社での製本講習。
例によって、山崎曜さんにお越しいただく。
とはいえ、年末年始は休講とさせていただいたので、実に3カ月ぶりで
ある。
今回は、新書のハードカバー化と箔押しをあわせて教えていただいた。
ハードカバー化の方は文庫本で一度経験があるが、箔押しは初めて。
電熱器でコテを温めて、金箔もしくは銀箔シートの上から判子を押す
感じで圧をかける。
すると、金銀のかわいらしい模様が浮かび上がってくる。これは楽しい!
凝ったものを作れば、この作業だけで2〜3時間はすぐかも知れない。
ところで、わたしが選んだ新書は、多木浩二さんの『スポーツを考える』。
愛蔵本的な仕上がりになるので、本当は読み込んだ本が良いのだが、
生憎とそうした新書が手元にない。
で、先日本屋で物色し、多木さんの本なら間違いないだろうと思い、
購入した次第。
硬派で、論理の上澄みのような文章を書かれる方である。
実を言えば、大学時代に憧れた先生の一人。
当時の東京造形大学では、茂木博さん、柏木博さんとあわせて、
「名字に『木』のつく先生がいい」と言われていた。
多木さんの授業で「優」をもらえたのは、ちょっとした自慢である。
期末に提出したのは、太平洋戦争のプロパンガンダ絵画について考察
した『戦争絵画のディスクール』という論文だった。
そりゃ、まぁ、硬派ですわ。