嫉妬について

最近ちょっと分からなくなっていることがある。
それは「嫉妬心」というものに関してである。
わたしは成人君子ではないので、他人がイイ車に乗っていたり
脚光を浴びていたり、儲かっていたりするのを見聞きすると
軽くイラッとする。
それは正直な条件反射だと言える。
が、あらためて考えてみると、それらはわたしが本当に欲しい
ものではない。
いや、昔から本気で求めたことがないものとすら言っていい。
むしろ「男子たるもの、それらを求めるべきではないか」と
考えても、結局持続できなかった欲望である。
一方、では何が欲しいのかと言えば、「仲睦まじさ」だったり、
「貧しくても笑っていられる大らかさ」だったり、「苦境を
引き受ける男気」だったり…。
不思議なのは、そうしたものは他人が手にしていても、一向に
嫉妬しないのである。むしろ素直に手を叩く。
で、その対比を物質的欲望と内面的充実とすることはたやすい。
が、わたしがちょっと分からなくなっているのは
「人は大切に思わないものに対してほど、嫉妬する」
という可能性についてである。
まぁ、「対してほど」は言い過ぎかも知れない。
切り口を変えて言えば、「他人の価値観を引き受けようとする
時にこそ、嫉妬する」のかも知れない、と。
ただし、さらに分からなくなっているのは、それを一般的な
感覚として考えて良いのか、わたしのひねくれた感性故なのか
ということ。
この件は、少しづつ考えていきたいと思っている。