先生とわたし

江戸川橋にて若干ヘビーな仕事の話を済ませた後、銀座へ。
大学時代の恩師・阿方稔先生の展覧会に足を運んだ。
柳画廊という立派なギャラリー。
きっかり2年前に同じ場所で展覧会をされ、お会いするのは
その時以来である。
本来ならば、昨年のわたしの展覧会に来ていただけるはず
だったが、あいにくその時は風邪をめされてしまった。
画廊に電話をもらい「行けそうにない」旨陳謝いただいた。
いずれにせよ、本日久しぶり(要するに2年ぶり)にお会い
したのだが、お元気そうで何よりだった。
ダスティン・ホフマンに似ている風貌は相変わらず。
シュールで説教っぽい会話も懐かしかった。
そもそも「絵は教えられるものではない」という方針。
よって、大学時代はもっぱら囲碁を教えていただいた。
それなら、家の中で済んでたじゃん>俺
というのも、親父はアマチュア2段の腕前だったからである。
しかし、致命的なことに、親父は人にものを教えるのが驚く
ほどヘタだった。
初めて親父に囲碁を習った時、訳のわからない説明をされて
「何だ、これ?」と思ったものである。
かたや先生は、囲碁のルールと魅力を丁寧に教えてくださり、
かつヘタクソなわたしの相手を飽きもせずしてくださった。
ちなみに、学生への推薦図書に『ヒカルの碁』を挙げられた
方である。囲碁に対する愛情はことのほか深い。
ともあれ、先生には親父との間を取りもってもらった感じ
がある。以降、親父との接点が一つ増えたのだから。
わたしの大学時代(から)のテーマは『家族の肖像』だが、
その点から見ても、感謝つきない恩師なのである。