ねじまき鳥の謎

ねじまき鳥クロニクル(1部・2部)』読了。
う〜ん、難しい…。
途中、ものすごくおもしろくて、ドキドキしながら読んだのだが、
(2部の)ラストで台なしというか…。
以下、ちょっとネタばれ的になるので、読んでみるかも知れない
未読の方はご注意を。
ガックリきたのは、最後の推理小説チックな部分である。
主人公が、謎の電話の主が誰なのか気づくところ。
「えっ…、それは最初から一番大きな可能性だったでしょう」と。
むしろ、「主人公が何故それに気づけないのか?」「何が認識を
さまたげている(ことになっている)のか」が、気になっていた
のに、その疑問は宙ぶらりんにされてしまった。
「はっ! ニューヨークって、アメリカにあったんだね」
的な終わり方をされてしまったので、わたしには
「いやいや。それはそうでしょ。むしろ、何故、そうじゃないと
 思っていたの?」
というモヤモヤが残された次第。
解決どころか、作品の終了からが妙な謎の始まりで、後味悪し。
ただ、わたし自身も歯切れの悪い物言いになってしまっている
のは、これが村上春樹一冊めだったから。
そして、途中が素晴らしくおもしろかったので、作者への敬意が
けして軽くはないためである。
つまり、疑問点は「村上春樹作品には、そうしたエアポケットが
けっこうある」のか、「この作品はたまたまそうだったが、他の
作品は違う」のか。
そして最大の難問は、この流れのまま第3部を読んで、わたしは
救われるのだろうか? ということ。
こんな時、加納マルタが導いてくれたら、と思う。