狂躁と安寧

小室哲哉が逮捕された。
誤解を恐れずに言うと、それは何だかホッとするニュースだった。
別段わたしは小室哲哉に対して特別な感情はない。
嫉妬のかけらもないと言えば嘘になるだろうが、獲得した金銭は
その才能に見合っていたと思う。
ただ、もはや他人が何らかのストップをかけなければ止まらない
領域にいるのだろうな、と感じていた。
借金と浪費の噂が散々流れていたし、決定的な印象は数週間前に
生演奏を見た伊集院光が、「コピーバンドの方がまだまし」
と評していたこと。
それほどまでに生気を失っていたらしい。
一方、○原や○木はこぞって「これからいいことがある」と予言
していたようだが、われらが痴豚様(伊集院のことね)の方が
ずっと見る目がある気がする。
いずれにせよ、昨今のマスコミは人をおとしめるために(堕ちる
時の落差をより劇的にするために)無闇に持ち上げる傾向があり、
ホリエモンなどはその典型的な例だった。
が、小室哲哉はもはやそうしたタイミングすら逸しているように
思われた。
もはやまったく走れる状態ではないのに、ドライバーとピット
クルー(要するに当事者たち)だけが、それを認めずにレースを
続けているというか…。
何ら良いニュースではないのだが、そうした狂躁にひと区切りが
ついた感じで、安堵感を覚えた次第。
とはいえ、マスコミの熱狂はこれからしばし続くのだろう。
本人自身がその暴力的な質問にさらされることがない点にも、
奇妙な安寧を感じてしまうのである。