実体への「長い」旅

バーバラ・M・スタフォードの『実体への旅』を読んでいるのだが、
手強い本で四苦八苦している。
以前、友人・南くんが「なかなか進まない」旨をブログに書いていて
「そうなのかなぁ」と思っていたら、確かにそうだった。
B5版に目一杯の文章は、四六版の1.3倍という感じ。
しかも、本文だけで430頁。訳注や参考文献を入れれば660頁という
お化け本である。
う〜ん、読み終わる気がしない…。
これを一人の人間が翻訳したのにも驚くが、そもそも一人の人間に
よって書き下ろされたことを思うと、さらに目がくらむ。
そのバイタリティたるや、正に超人的である。
訳者・高山宏さんもあとがきに
「女史の元気にすがるようにして生きてきた」と書かれている。
その高山さんの元気にわれわれがすがっていることを思うと、日本の
何百人かがスタフォード女史に救われていると言えるのかも知れない。
ところで、時折次男がやってきて
「また『実体への旅』読んでるの?」と言う。
小学2年生の口から「実体」という単語が出るのはかわいらしい。
漢字が読めるのは立派だが、さすがに意味は理解していない。
「実体って何?」
「実体というのはね…」