冷めていく冒険の熱

ブルー・オーシャン戦略』を読み進めているのだが、
やや失速気味。
この本の著者W・チャン・キムレネ・モボルニュは、
価格競争や付加価値争いのことをレッド・オーシャンの
戦いと呼び、そうではなく競争のない新世界(それが
ブルー・オーシャン)を目指そう! と呼びかけている。
既存の価値観や固定観念にしばられない商品を生み出す
ことが、そのためのパスポートである。
そして、ほとんどの経済学者がレッド・オーシャンでの
戦い方を説くのに対し、自分たちはこれまで語られる
ことのなかったブルー・オーシャンの進み方を示そう、と。
その意気込みやよし… だったのだが、半分くらいから
段々雲行きがおかしくなってきた。
前半の成功事例の分析まではなる程おもしろかったものの、
いざその骨法を説く段になると途端に手綱がしめられた。
あれは大丈夫か?
これは考えたか?
それをそんな風にやっているようじゃぁ、とてもブルー・
オーシャンは渡れないぞ。
う〜ん、要するに、レッド・オーシャンで起きる競争を
先んじて潰しておけば、洋々たるブルー・オーシャンが
開けるだろう、と。
何だか、そんな感じなのである。
まぁ、そりゃぁ、そうなんだけどねぇ。
騙されたとまでは思わないが、コロンブスの頃の冒険も
そんな感じで始まったのかなぁ。
実はあんまり新しい切り口ではなかったのかも…。
というわけで、投げ出すわけではないが、当該書籍は
少し脇に置いて、『勝者の代償』を先に読んでみたい。
出だしを読んだだけだが、こちらは地に足がついている
印象を受けている。