痛みの記憶

会議書類の準備をしていて、紙の端で指先を切ってしまう。
スパッ!
と言っても、全然大したことはないので、ご心配なく。
1cmにも満たない小さな傷で、別段痛みもない。
ただ、久しぶりの負傷だった。
一方、子供の頃にはしょっちゅう怪我をしていて、時には
病院で縫わなければならないこともあった。
そうした傷が、全身で6箇所ほど。
のべで20数針になる。
意外に(?)縫い跡、多いのである。
そう言えば、わが家の子供たちは全然そうした怪我をして
いない。
というか、世の中的にも怪我をするような遊び方をしなく
なっているということだろう。
まぁ、悪いことではない。
親の立場になってみれば、子供が怪我をするのは、自分が
負傷するよりもつらいから。
そういう意味では、大変に親不孝な子供であった。
が、敢えて言わせてもらえば、縫うような傷なんてのは、
痛みからすれば全然大したことはない。
あの、おこぜを踏んだ時の、毒のまわる痛みときたら…。
その時、文字通り「親身」になってくれて良いはずの父は
「どうせ釘でも踏んだんじゃろ。ぎゃぁぎゃぁ言うな!」
と、にべもなかった。
しかし、そのうちに血管が紫色に腫れあがり…。
病院に運ばれ、解毒剤を打ってもらってことなきを得たが、
その痛みたるや、「足を切り落とした方がまだまし」と
思ったほど。
それはまるで、痛みだけが膝につながっているような感覚
だった。
対して、指先を紙で切るくらい(笑)